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住宅リフォームの消費行動をDECAXモデルで考える
公開日:2020/11/05
最終更新日:2024/10/15
こんにちは。
工務店、リフォーム会社のホームページ集客支援のゴッタライドです。
工務店やリフォーム会社におけるマーケティングは、さまざまな手法があって迷ってしまう方も多いと思います。
限られた予算や工数の中で、自社に合った販促は何をしたらいいんだろう・・・
そんな方は『消費行動モデル』を見直して、人が家を買ったり、リフォームをしたりするときに、どんな行動をするのかを整理してみてはいかがでしょうか?
今回は「AIDMA」や「AISAS」など、有名なものから、最近のコンテンツ・マーケティングに対応した「DECAX」という消費行動モデルまで紹介します。
マスメディアに主眼をおいたAIDMA(アイドマ)
もう100年ほど前につくられたのが、AIDMAモデルです。
聞いたことはあるという方も多いのではないでしょうか?
Attention(注意)
→テレビやラジオ、新聞広告などのマス広告を通じて、認知する。
Interet(興味)
→CMや広告をきっかけに、商品・サービスに興味をもつ。
Desire(欲求)
→商品やサービスの特徴を理解し、「欲しい!」と感じる。
Memory(記憶)
→商品やサービスを記憶し、購入を検討する。
Action(購買)
→商品・サービスを購入する。
このような流れを想定し、ステップを1つずつ進んでもらうためにマス広告のクリエイティブが重視されてきました。
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インターネット検索に主眼をおいたAISAS(アイサス)
その後インターネットが普及し、新たに提言されたのが、AISASモデルです。
AIDMAのプロセスが変化し、Search(検索する)とShare(共有する)に変化しています。
Attention(注意)
→マス広告によって、商品やサービスの存在を認知する。
Interet(興味)
→CMや広告をきっかけに、商品・サービスに興味をもつ。
Search(検索)
→商品やサービスについて詳しく知りたいので、ネットで検索する。
Action(購買)
→商品・サービスを購入する。
Share(共有)
→購入後、商品やサービスに対するレビューや評価がネット上に拡散される
テレビCMでも「◯◯◯で検索!」と言われるようになりましたし、売り手側の意見ではなく、商品やサービスを購入したユーザーの意見が力を持つようになりました。
広告料を受け取った芸能人が、自然を装ってブログで商品紹介をするようなステマ(ステルス・マーケティング)が問題になったこともありましたね。
いずれバレてしまうのでヤラセは駄目だ。インターネットによって、本物しか生き残れない時代がやってきた、と襟を正した方も多いのではないでしょうか?
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コンテンツマーケティングに主眼をおいたDECAX(デキャックス)
インターネットによって情報が氾濫するようになった結果、ユーザーにとって価値のある情報が重視されるようになりました。
企業側が伝えたいことではなく、ユーザーが知りたいことは何なのか?という消費者目線から生まれたのがコンテンツ・マーケティングです。
コンテンツ・マーケティングに合った消費行動モデルとして、DECAXが言われるようになりました。
Discovery(注意)
→「リノベーション 岐阜」などで検索して、有益な情報を見つける。
Engage(関係構築)
→住宅会社のSNSをフォローしたり、Youtubeチャンネルを登録したりすることで、無意識に接点ができる。
Check(確認)
→リノベーションを依頼する。
Action(購買)
→商品・サービスを購入する。
Experience(体験と共有)
→打ち合わせや施工中も含め、体験したことを共有する。
では、それぞれのプロセスについての解説と、住宅会社における具体的な事例を含めて解説していきます。
Discovery(注意)
リノベーションを検討している人がネット検索する場合、さまざまなキーワードが考えられます。
分類 | キーワード例 |
お金系 | 「リノベーション 費用」、「リノベーション 予算」など |
機能・技術系 | 「リノベーション 耐震性能」、「リノベーション 断熱」など |
イメージ系 | 「リノベーション 事例」、「リノベーション 間取り」、「リノベーション デザイン」など |
地域系 | 「リノベーション 会社 岐阜」、「リノベーション 岐阜 事例」など |
このような情報が得たいというユーザーに見つけてもらえるかどうかが、このプロセスにおける最重要事項です。
広告やSEO対策によって自社ホームページへ誘導する、または別のネットメディアを経由して知ってもらうことがポイントです。
そして、ユーザーに発見してもらえたら、次のプロセスである『Engage(関係構築)』に向けた行動を促します。
具体的には、FacebookやInstagramなどのSNSであればフォローしてもらうことです。フォローしてもらえたら、SNSを通じて投稿するたびに、自社の情報に触れてもらうことができます。
自社ホームページの問い合わせフォームからの反響獲得も狙っていきたいですが、コンテンツ・マーケティングでは「今すぐなんとかしたい」という顕在化した顧客はともかく、「将来的に検討しようかなぁ・・・」という潜在的な見込み客に対して、追客できるシクミを作りたいです。
個人情報を詳しく入力しなくても得られるような、資料ダウンロードの窓口を用意するなどして、気軽にメールアドレスがもらえるような窓口を用意するのが一般的です。
コミュニケーションの目的 | 主な媒体 | マーケティング担当の業務 |
自社を見つけてもらい、フォローやチャンネル登録してもらったり、メールアドレスを取得する。 |
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このように整理すると『Discovery(発見)』のプロセスにおいて、マーケティング担当者は、何をするべきなのか、それぞれの施策は何を目指すのかが整理できたと思います。
Engage(関係構築)
自社のことを発見してもらったユーザーに対し、継続的に情報発信を行うのが『Engage(関係構築)』のプロセスです。
AIDMAモデルであれば、繰り返しテレビCMを流して記憶してもらい、購買意欲を高めるのですが、DECAXモデルにおいては、そんなにコストを掛ける必要はありません。
LINE公式アカウントやFacebook、Instagramのタイムラインをつかって、自動的に自社の投稿内容を見てもらうことができます。
コミュニケーションの目的 | 主な媒体 | マーケティング担当の業務 |
積極的な情報発信を行い、会社やサービスの特徴を知ってもらう。 |
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マーケティング担当者は「潜在顧客に自社のことを知ってもらうための関係構築を行う」という目的を理解すれば、SNSでどんな投稿をしたらいいのか、迷いが少なくなると思います。
自社の強みや特徴を踏まえると、建築現場のどんな情報を伝えるべきか、日々の施工現場でどんなことが起きているのか、のメッセージが明確化できそうですね。
また、オリコミチラシと連動したキャンペーンの告知や、完成現場見学会などのイベント告知もできます。
2日間など、複数日程で行うイベントであれば、1日目の様子を魅力的な写真で伝えることで、2日目の来場促進も行えます。
Check(確認)
ネットで情報収集を行い、良い印象を持っているが「この会社と契約しようと思っているが、本当に大丈夫か?」を確かめるのが『Check(確認)』です。
- 営業マンの話を聞いて納得したけど、確認しておきたい。
- 提案してもらったシステムキッチンの評判はどうなんだろう?
- ホームページでは良いことばかり書いてあるけど、ネガティブな要素はないのか…
- 実際に、その会社で家を建てた人は、満足しているんだろうか…
- 大きなクレームや訴訟など、抱えていないか…
のように、失敗したくないというユーザーは、いろいろ確認します。
ネットで検索する方法もあれば、他の建てた現場を見に行ったり、人に相談したりすることもあるでしょう。
特に意識したいのは、
ユーザーは『Engage(関係構築)』と『Check(確認)』を繰り返す、という点です。
特に、住宅という大きな買い物をするにあたって、不安要素を減らして納得した状態で契約したいもの。
住宅会社からSNSなどを通じて発信される内容や、営業担当者との打ち合わせなどの接点があるたびに『Check(確認)』を行い、次のプロセスに進むための準備をしています。
コミュニケーションの目的 | 主な媒体 | マーケティング担当の業務 |
自社を選ぶことが間違いないと確認してもらう。 |
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マーケティング担当者は、お客様インタビューを自社ホームページに掲載するだけでは足りません。
自社についてエゴサーチをして、自社に関する情報をいろいろ把握しておきましょう。
最近は、Googleマイビジネスのクチコミを確認するユーザーも増えています。良いクチコミがもらえるような努力はもちろん、クレームなど不満コメントがあった場合に、真摯な態度で返信するのも必須です。
また、ユーザーが『Engage(関係構築)』と『Check(確認)』を繰り返すことを想定すると、マーケティング部門だけではなく、営業や施工部門と協力して、社内の情報共有を図りましょう。
商談をするにあたって、お客さんは自社ホームページやSNSをくまなく見てくれているのに、営業マンは「そんな情報がのってるんですね…(汗)」というやりとりは避けたいですよね。
Action(購買)
自社が提案したリノベーション・プランに納得いただいたお客様と、ようやく契約に至るのが『Action(購買)』です。
しかし、インターネット時代は、ここで終わりません。次の『Experience(体験と共有)』プロセスへ続きます。
Experience(体験と共有)
Experienceであれば「DECAE、じゃないのか?」と言いたいところですが、「eXperience」の「X」によって、DECAXとなっているようです。(笑)
今回、例として挙げたリノベーションなど、住まいづくりに関しては、契約前のプランづくりのところから顧客体験は始まっています。
契約~施工~引き渡しの一連の流れを通じて、ユーザーが笑顔になってもらえるような体験を提供したいですね。
その体験が、ユーザーから情報共有されることで、また新たなお客様との出会いに繋がります。
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まとめ
従来からあるAIDMAやAISASモデルと共に、コンテンツ・マーケティングに主眼をおいたDECAXモデルを紹介しました。
Blogを書くとか、ダウンロード資料を用意するとか、施策はいろいろ紹介されていますが、一連の流れとして捉えることで、それぞれの目的やゴールが明確になります。
日々、忙しいマーケティング担当者が「木を見て森を見ず」状態になってしまうと、非効率になってしまうので、ご注意ください。
特に、自社ホームページを核として、他の媒体(SNSやチラシ、ネット広告、イベント、etc.)をどのように活用するのか、受け皿としての自社ホームページにいかに誘導するのか、という視点で考えると、業務の優先順位や予算配分を検討しやすくなると思います。
ぜひ参考にしてみてください。