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工務店広報の仕事内容から目標設定まで。会社の戦力になる広報を解説!
公開日:2022/08/31
最終更新日:2024/10/15
こんにちは。
工務店、リフォーム会社のホームページ集客支援のゴッタライドです。
競合が多い建築業界。工務店では特に、競争が激しい世界です。
そんな中で、お客様に自社を見つけて、選んでもらうには、広報という存在が欠かせません。
大事な存在だと知っているものの、広報に関してまだよく理解できていない工務店も多いはず。
今回は、
「広報というのは何なのか」
「広報がやるべき仕事は何なのか」
「広報はどんな目標に向かっていけばいいのか」
これら広報に関して、元工務店広報の経験談を踏まえながら、詳しく解説していきます。
よくわからないまま広報に任命された、初心者広報の方や、これから工務店に広報を取り入れようとしている経営者の方に必見の内容です。ぜひ参考にしてみてください。
広報とは
広報とは、様々な相手と関係を構築し、マーケティングの戦略に基づいて、事業の活動や方針を広く社会に情報発信を行い、共感を得ようとする活動のことです。
また、単に情報を発信するだけでなく、常に自社が世間からどう思われているのか、どんな声が寄せられているのかを認識し、社会の変化に合わせて、会社に対して改善や提案をしていくことも、広報の重要な仕事です。
今、工務店に広報がなぜ必要とされているのかというと、広報を通じて、社会の支持や共感を得なければ、営業活動や、工務店の中での運営もスムーズに進まず、建築業界に生き残ることが危うくなってしまう時代になったからです。
経営トップをはじめとする経営陣も、広報という存在を重要視するようになり、広報だけでなく、全社員が広報としての意識や行動が求められている時代にもなっています。
広報はPRの一部
広報は英訳で、PR(パブリック・リレーションズ)と呼ばれることがあり、「広報=PR」と思われがちですが、正確に言うと、そうではありません。 「広報がPRの一部」ということを覚えておいてください。
PRとは、「公衆とのよい関係づくり」という意味です。
自社にとって大切な人たち(公衆)と、長期的な関係性を構築することがPRです。
PRと聞くと、アピールする、宣伝するという意味で捉えがちですが、そうではありません。
PRの仕事は、広報よりもさらに範囲が広くなります。
先ほど、広報とは、情報発信を行い、共感を得る活動のことだとお話しました。
広報とPR何が違うのかというと、広報は一方的に情報を発信することで共感を得ることですが、PRは、双方のコミュニケーションを通じて関係性を築いていくことに違いがあります。
流行や人の気持ちは、年々早く変わっていきます。
ですので、一方的に情報を発信しているだけでは、もう狙うべきターゲットに響かなくなってしまい、選ばれない工務店になってしまいかねません。
これからの時代では、発信した情報に対して、ユーザーがどのような反応をしているのか、どんな気持ちなのか、双方にコミュニケーションを取り合い、確認することがとても重要です。
例えば、最近のInstagramをよく見てみると、ストーリーの質問やアンケート、ライブ配信をして、ユーザーとのコミュニケーションをする工務店が、フォロワーが多いということに気づいていますか?
これは、一方的に、自社の事例や家のことをInstagramで情報を発信するだけではなく、ストーリーやライブ配信を通じて、ユーザーとコミュニケーションを取り、関係性を築いているため、ユーザーからたくさんの支持を得ています。
これからの時代は、広報活動は、一方的に情報を発信するだけではなく、双方のコミュニケーションで関係性を築いていくPRを含めた活動が求められています。
工務店の広報ってなにするの?
会社の顔として、Youtubeやインスタ、CMなど表に出て宣伝活動し、集客に貢献するのが広報というイメージを持たれている方が多いかと思いますが、これらは、広報の仕事のほんの一部です。
大半は、裏方の縁の下の力持ち的なポジションです。
もちろん、顔を出して、宣伝・広報活動をすることもありますが、広報として一番大事な仕事は、先にも述べたように、多くのお客様や社会との関係性を築いていくことです。
また、広報は、会社のブランディングやマーケティングにも深く関わりを持つ存在です。
一貫性のある情報を、継続的に発信し続け、会社の認知を高め、商品を広めるには、会社のブランディングやマーケティングがしっかりと整っていないと、集客はできません。
工務店広報が知るべきマーケティングやブランディングについて、別のブログで書いていますので、合わせてご覧ください。
初心者広報にオススメ、工務店におけるマーケティングを徹底解説
広報というのは、経営陣と一緒になって会社の方向性や商品についてを考え、それらを発信していく、会社にとって最も重要なポジションなのです。
工務店の社内広報と社外広報
工務店広報がやるべきこととして、大きく分けて2つあります。
それが、「社内広報」と「社外広報」です。
社内広報
社内広報とは、社員に対して行う広報活動のことです。
社内広報の目的はこの5つです。
- 企業理念や経営方針を社員に浸透させるため
- 社内のコミュニケーションを活性化させるため
- 社員に自社の状況を把握させるため
- 社員のモチベーションややりがいを向上させるため
- 社員の家族へ会社のことを知ってもらうため
上司によって、会社の考え方が微妙に違っていたり、社員全員に社長の想いが伝わっていなかったりということがよくあると思います。
また、リモートワーク等の働き方の多様化によって、経営側の想いが行き届かなくなり、結束力が薄くなってきているというのも、最近では起こっています。
この中で、広報が社内広報を通じ、社員へコミュニケーションをすることで、職場の雰囲気が良くなり、モチベーションも向上し団結力が高まることでしょう。
具体的に何をすればいいのかというと、
- 会社案内(冊子)をつくる
- 社員だけのイベントを企画する(部活やランチ会等)
- 勉強会やセミナーを企画する
- スタッフの評価や会社のことを発信するマンスリー本をつくる
- 社員にLINEやメルマガで情報を定期的に発信する
など様々な社内広報のやり方があります。
外へ向けた情報発信やコミュニケーションができていても、社内での情報発信ができていない工務店は多いはずです。
社内広報は、直接的には売り上げに貢献しませんが、企業理念の浸透や社員のモチベーションの向上など、多くのメリットが期待できるため、間接的な売り上げの向上、利益の向上につながることが予測されます。
時代の流れに合わせて、社員への情報発信、コミュニケーションのやり方を変化させていき、自社らしい社内広報ができるようにしていきましょう。
社外広報
社外広報とは、お客様や他の企業などに対して行う広報活動のことです。
社外広報の目的は、お客様や企業に自社を知ってもらうということが目的です。そのために何ができるのか、どんなことを発信するのか、誰が、いつ、どうやって…を考えることがとても重要です。
具体的にすべきことは、
- SNSやメルマガを通して情報発信をすること
- SNSを通じてユーザーとのコミュニケーションをとること
- メディアや取材陣と関係性を持つこと
- チラシやウェブ広告を使って情報を発信すること
- 見学会やセミナー、他イベントを企画すること
など、社外広報のやり方は様々です。
お客様に自社の商品や活動を広く知ってもらうためには、自社のことをよく理解すること、お客様の志向や行動の分析も必要です。時代の変化によって、社会の流れや、お客様の志向も変化するため、常に研究や調査は怠らないようにしましょう。
工務店の広報は何を目標にすればいい?
広報は工務店にとって大事な存在で、ある程度広報がやるべき仕事は理解できたかと思いますが、よく会社の中で問題になるのが、
「広報は何を目標にしたらいい?」
「広報をどうやって評価すればいい?」
という問題です。
広報の活動自体、周りからは見えにくいものです。
営業マンのように、はっきりと数字が見えてくるわけではなく、広報の活動が、直接的に利益につながるということもありません。
また、広報の活動は、様々な活動が複雑に絡み合っているため、実施したものに対して、どういった変化が起こったのか因果関係をはっきりと証明させることが難しいため、成果があいまいにされてしまうことが多いのです。
短期間で結果が出るということもないので、成果を可視化できないと、広報担当者は、「こんなに頑張っているのにどうしてもっと評価してくれないのか」と悩み、経営側は、「広報がんばってくれているみたいだけど、どう評価すればいいかわからない」と悩み、結局、広報担当者が疲弊し、離れてしまうということが起きてしまいます。
そうならないためにも、広報の仕事を数値として展開し、それを振り返って評価できるような目標を設定することがとても重要です。
目標を設定することで、成果も可視化でき、広報の成果や業務を他の部署にも理解してもらいやすくなります。
この目標については、広報担当者、経営者両者ともしっかりと把握しておく必要があります。
工務店広報の目標の立て方
では、早速広報の目標を具体的に立てていきましょう。
工務店広報の目標を立てるときのポイントは3つあります。
①KGI(最終目標)は自社の利益に貢献する目標にする
広報の活動は、会社の利益に直接結びつかないと先ほど述べましたが、会社に属する以上は、会社に貢献しないといけません。会社全体がどのくらいの売り上げを目指しているのか、広報はどのくらい貢献できるのかを考えることが重要です。
自分が行う広報活動を通じて、消費者であるお客様との関係性を築いた先で、消費者がどんな行動を起こせば、自社の売り上げ貢献につながるのかをイメージしてみてください。
例えば、『年間受注数を10棟から15棟に増やす』ということをKGIとしましょう。この5棟増やすために、広報活動でどのような目標数字を立てていけばいいのか②で説明します。
②KGI(最終目標)を設定してからKPI(途中目標)を決める
目標を立てるときに大事なことは、KGIを先に決めてから、KPIを決めるということです。さらに、KGIは1、2年先の中長期的な視点で考えることが大切です。
短期的な目標にしてしまうと、会社全体の目標と脱線してしまう可能性があり、ただの形だけの数字になってしまいかねません。
最終ゴールであるKGIにたどり着くまでに、どのようなプロセスを踏まないといけないのか、KGI達成までの道のりを分解してKPIを設定するようにしましょう。
また、最終ゴールに向かうプロセスは必ずしも1つとは限らないので、様々な方面のKPIを紐づけて設定するとより具体的な目標が立てやすく、日々の業務もやりやすいと思います。
例えば、5棟受注を増やすために、『Instagramを見て受注に至ったのを2棟、見学会に参加して受注に至ったのを2棟、YouTubeを見て受注に至ったのを1棟』とKGIに近いKPIを設定するとしましょう。
このKPIの目標を達成するためにはどのようにすればいいのか③でお話します。
③KPI(途中目標)は日々の広報業務で目指すべき数字にする
KPIは、最終ゴールであるKGIに向かって目標を達成するためのプロセスになる指標です。
日々、実際に行う広報活動に準じた目標を設定するようにしましょう。
例えば、Instagramからの受注を2棟獲得するためには、仮に『Instagramフォロワー数を1年で1万人にする』というKPIを立てます。
現在が5,000人フォロワーだとして、あと5,000人増やさないといけない。1年間260日出勤するとして、1年で1万人達成するためには、1日約20人(1ヶ月約400人)フォロワーを増やさないといけません。
そのためには、
- 保存率が2~3%以上になっているか
- ホーム率は50%以上か
- フォロワー転換率は6~8%か
インサイトを基に数字を分析する必要があります。
数字目標達成するためには、
- 質の高い写真を投稿する必要がある
- リールで動画も投稿する
- ストーリー更新も必要
- インスタライブ配信も計画すべき…
などやることが見えてきました。
そうしたら、
- いつ、どこで、なんの撮影をするのか
- いつ、なんの投稿をするか
- ライブ配信の内容は、何人で行うか…
など詳細の計画を立てていきます。
計画を立てたら、実践し、途中で数字の確認をし、目標達成できそうか、計画は正しかったのか振り返り、また計画…と、PDCAを繰り返し行います。
Instagram以外にも、他のSNSや、ウェブ広告、紙媒体、メディア掲載など、日々の広報業務の中で1日、1週間、1ヶ月とKPIを設定して、最終ゴールに向かって取り組んでいきましょう。
工務店広報の目標を立てっぱなし、やりっぱなしはダメ
工務店広報の目標を立てるときのポイントを3つ紹介しました。
目標を立てることも大事ですが、次に大事なことは、見直すことです。
やりっぱなしにしてはいけません。
目標に対して、
「結果がよかった、悪かった」だけでなく、
「なぜ良かったのか、なぜ悪かったのか」を見つけてください。
「なぜ」の部分の原因を突き詰めることで、軌道修正に役立ち、自社の成長に大きく貢献できると思います。
また、目標を立てて、進む途中で違和感を感じるときもあるでしょう。
その時は、そのまま進むのではなく、思い切って立ち止まり、もう一度見直すということも必要です。
まとめ
工務店広報について解説しました。いかがでしたか。
- 広報とは
- 社内広報と社外広報
- 広報の目標設定
広報は、会社にとって重要な存在ではあるものの、やるべきことは複雑で目標や成果も見えにくいため、周りの部署からはなかなか理解されにくい存在です。
だいたい1人で任されている広報担当者が多いため、くじけてしまいそうになりますが、諦めず、目標を明確に、成果が可視化できるよう、努めてください。
経営者の方は、見えにくい業務をそのままにせず、自ら歩み寄って経営と広報との関係性をより深めていくと、成果が見えてくるはずです。
このブログを参考に、できることから少しずつ取り組んでみましょう。