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工務店・リフォーム会社のSEO対策【第2回】 ~目標設定と施策の作り方~
公開日:2021/06/03
最終更新日:2024/10/15
こんにちは。
工務店、リフォーム会社のホームページ集客支援のゴッタライドです。
工務店やリフォーム会社が自分でできるSEO について、シリーズで解説しています。
今回は、SEOの具体的な進め方についてです。
目標を立てて、それをクリアするためにどんな手順で進めたらいいのかを具体的に解説します。
SEOについて断片的な情報しか得られず、どうしていいかよく分からない工務店やリフォーム会社さまに分かりやすく、各種ツールの活用法も含めて紹介します。
工務店、リフォーム会社がとるべきSEOの基本方針
SEOについて業者から提案を受けたりすると、どうすればよく分からなくなってしまい、丸投げしたくなるかもしれません。
しかし、シンプルに考えると以下の5つに絞ることができます。
- ユーザーに役立つ、王道のSEOを行う。
- 反響につながるキーワードでの上位表示を目指す。
- 検索キーワードは、100個ぐらい考える。
- 1キーワード=1ページ、で考える。
- 定期的に順位チェックする。
以下、詳しく解説します。
ユーザーに役立つ、王道のSEOとは
小手先のテクニックによるSEOは効果が得られないどころか、Googleからペナルティを受けるリスクがあります。
Googleのミッションは「世界中の情報を整理し、世界中の人がアクセスできて使えるようにすること」。
裏を返すと、ユーザーに役立つホームページであればGoogleから評価され、アクセス流入が期待できます。
ユーザーにメリットを提供する、という考え方がSEOに必要な考え方です。
反響につながるキーワードでの上位表示を目指す
『SEO=アクセスアップ』 と捉えてしまうと、とにかくなんでも良いからアクセス数を増やせばいい…と、本来の目的からズレてしまうことがあります。
工務店やリフォーム会社が取り組むべきSEOは、自社で家を建てたり、リフォームしてくれたりする可能性のある見込み客を集客することです。
反響につながりそうなキーワードでの検索結果で、上位表示を目指しましょう。
検索キーワードは、100個ぐらい考える
『上位表示を狙うキーワード=反響に繋がりそうなキーワード』と考えたときに、「注文住宅+(地域名)」ぐらいしか挙がってこないとしたら不十分です。
上位表示するキーワードが多ければ多いほどアクセス流入数は増え、反響獲得につながります。
お客様から聞かれること、自社の特徴や強みになること等をふまえて、上位表示を目指すキーワードを100個ぐらい挙げましょう。
1キーワード=1ページ、で考える
100個のキーワード検索をした際に、毎回トップページを上位表示させるのは現実的ではありません。
『検索キーワードごとに、対象ページをつくる』という考え方が大切です。
検索キーワードごとに、ユーザーが知りたい情報は異なります。
ユーザーが探している情報をコンテンツ化していく、という発想でSEOを進めましょう。
定期的に順位チェックする
ページを修正したり、コンテンツを作成したりした成果を定期的にチェックしましょう。
具体的には、順位チェックツールというシステムがあり、狙っているキーワードの表示順位を自動的に把握する方法があります。
経過を見ていくことで、SEO対策がうまくいっているのか、別の改善が必要なのかを考えながら進めましょう。
目標反響数からSEOによるアクセス流入の目標値を決める
SEOに限らず、目標設定と現状把握は重要です。
具体的な目標を定めることにより、クリアするための施策や予算などが明確化するので、仮でもいいので数値目標を決めましょう。
反響数とアクセス数を集計する
工務店やリフォーム会社の場合、月によるばらつきもあるので過去3~6ヶ月の数字を拾って、平均値を集計します。
コンバージョン率=(反響数)÷(セッション数)で計算します。
〇月 | 〇月 | 〇月 | 平均 | |
アクセス数 (セッション数) |
850 | 1,100 | 1,050 | 1,000 |
ホームページ 反響数 |
4 | 6 | 5 | 5 |
コンバージョン率 |
– | – | – | 4 |
目標達成に必要なアクセス数は?
「現在5件/月の反響を10件/月にしたい!」という例を挙げて紹介します。
SEO対策は、直接コンバージョン率には影響を及ぼさないので、0.5%のままで計算すると、反響を10件とるためには、2,000セッション必要であることが分かります。
すなわち、アクセス数を今よりも1,000セッション増やすことができれば、目標達成できることが分かります。
反響数 | コンバージョン率 | セッション数 | |
目標 |
10 | 0.5% | 2,000 |
現状 |
5 | 0.5% | 1,000 |
差分 |
– | – | +1,000 |
「反響数」と「自然検索による流入数」の現状把握
SEOの目標を具体化するために、アクセスの流入経路ごとの数字も見ておきましょう。
Googleアナリティクスのメニューで「集客>>概要」をクリックすると、どういった経路からアクセス流入があるかが分かります。
検索エンジン経由でのアクセス流入は、Organic Search に分類されます。
この数字を集計することで、SEO対策によってアクセス数をどれだけ増やす必要があるのか、目標値が決められますね。
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上位表示を狙う検索キーワードを決める
冒頭に上位表示を狙うキーワードは、100個ぐらい決めましょう、とお伝えしましたが、そのキーワードの決め方について解説します。
キーワードを組み合わせて、複合キーワードをつくる
上位表示を狙うキーワードは、1つの単語だけではなく、2~3語を組み合わせた複合キーワードで考えます。
その際、『メインキーワード』と『サブキーワード』で考えると進めやすいでしょう。
メインキーワードは、ユーザーが最も知りたいことや関心のあることを設定します。サブキーワードには関連語句を入れていきます。
サブキーワードを複数組み合わせても良いでしょう。
グループ | サブキーワード(例) |
地域名 |
岐阜、岐阜市 |
お金 |
費用、料金、価格、見積り、安い、相場 |
悩み |
暗い、寒い、狭い、暑い |
部位 |
屋根、外壁、床、トイレ、キッチン |
メーカー |
リクシル、クリナップ、TOTO |
事例 |
施工事例、事例、プラン |
ネガティブ |
クレーム、訴訟、失敗、後悔 |
その他 |
おすすめ |
サジェストキーワードを参考にする
サブキーワードを考える際に、Googleのサジェスト機能を使うのも便利です。
Googleの検索窓にキーワードを入力し、スペースを空けるとよく検索されているキーワードが選択肢として表示されます。(サジェストキーワードと言います。)
サジェストキーワードを一括取得するにはラッコキーワードが便利
サジェストキーワードはGoogleの検索窓で表示されますが、一括取得できる便利なツールがあります。
ラッコキーワードというツールを使うと、一覧ですべてのサジェストキーワードが表示されます。
これを使うと、SEOで上位表示したいキーワードを100個つくる、という作業がスムーズに進められますね。
ラッコキーワード:https://related-keywords.com/
サーチ・コンソールで現状分析を行う
SEO対策に使える「Google サーチ・コンソール」という無料ツールがあります。
検索エンジンで自社ホームページがどのように表示され、ユーザーにどのように利用されているかが分かります。
その概要と、SEO対策における利用方法を紹介します。
Googleサーチコンソール:
https://search.google.com/search-console/about?hl=ja
サーチ・コンソールとは
Googleが提供するツールとして、Googleアナリティクスをご存知の方も多いでしょう。
サーチ・コンソールは解析対象と機能が異なり、利用シーンをうまく使い分けたいところです。
サーチコンソール | Googleアナリティクス | |
解析対象 |
ホームページに来訪前のデータ | ホームページに来訪後のデータ |
機能概要 |
Googleの検索結果で、自社ホームページがどんな検索キーワードで、どれぐらい表示され、どれぐらい来訪につながったのか? が分かる。 |
自社ホームページに訪れたユーザーがどんな経路で、どのページを、どれぐらい見たのか? が分かる。 |
検索パフォーマンスで利用状況を確認する
サーチ・コンソールの画面で「検索パフォーマンス」機能を使うと、自社ホームページの利用状況が分かります。
クエリ(検索キーワード)、CTR、掲載順位を見る
どんな検索キーワードで、自社ホームページがHITしているかが分かります。
それぞれのキーワードごとに、CTR(クリック率)、掲載順位などが表示されます。
掲載順位は、検索結果の何番目に表示されているかの平均値になります。
CTRは、検索結果として表示された回数に対するクリックされた割合です。
ページを見る
どのページが検索結果に表示され、クリックされているのかという切り口での分析も行えます。
特に、検索キーワードを絞り込み表示することで、どのキーワードで、どのページが表示されクリックされているのかまで確認できます。
掲載順位に対するCTRを評価する
ウェブページは上から順番に見ていくので、検索結果においても上位表示される方が目に留まりやすく、クリック率も高いです。
SISTRIX社は、掲載順位ごとにCTR(クリック率)のデータを公開しています。
これを見ると、自社ホームページの掲載順位に対し、クリック率が妥当かどうかが評価できます。
上記の表を基準値とした場合、クリック率が下回っていたら改善の余地があると言えますね。
引用元:Why (almost) everything you knew about Google CTR is no longer valid
https://www.sistrix.com/blog/why-almost-everything-you-knew-about-google-ctr-is-no-longer-valid/
掲載順位 | クリック率 |
1位 |
28.5% |
2位 |
15.7% |
3位 |
11.0% |
4位 |
8.0% |
5位 |
7.2% |
6位 |
5.1% |
7位 |
4.0% |
8位 |
3.2% |
9位 |
2.8% |
10位 |
2.5% |
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検索キーワードごとに施策を決める
キーワードごとに掲載順位とCTRが分かれば、具体的な施策を考えることができます。
下記フローチャートにまとめてみました。
キーワード検索の結果、1ページ目に表示されていたらCTRを確認します。
掲載順位に対し、CTR基準値を上回っていれば、今以上に表示順位を上げることを目指します。
CTR基準値を下回っていたら、CTRを上げる施策を行います。
キーワード検索の結果1ページ目に表示されていない場合、該当ページがあれば表示順位を上げる施策を行い、該当ページが存在しないならコンテンツ作成を行います。
CTR(クリック率)を上げる
既に上位表示されているにも関わらず、CTRが低くもったいない状況です。
CTRを上げるための考え方はいたってシンプルです。
例として「岐阜 注文住宅 おしゃれ」で検索したPC、スマホのそれぞれの画面を用意しました。
ここで赤枠で表示された内容が魅力的であればクリックされるし、魅力が伝わらなければクリックされません。
ですので、この赤枠で表示されるテキストを魅力的なものに編集する、というのが具体的な施策です。
タイトル(title)タグ
青い太文字で表示されるテキストです。
PCの検索結果では、全角28文字まで表示され、スマホではもう少し多くの文字が表示されます。
ディスクリプション(description)タグ
タイトルの下に表示される黒いテキスト部分です。
PCの検索結果では約130文字、スマホでは約80文字表示されます。
検索キーワードからユーザーの検索意図を想像し、タイトル、ディスクリプションを変更する
ユーザー目線で考えた場合、探している情報があって検索キーワードを入力しています。
その検索の意図に沿った内容が表示されている方がCTRが高くなります。
具体的な編集作業は、ページの作り方によって異なるので、詳しくはホームページの制作会社に「タイトルタグやディスクリプションタグを編集したいんだけど…」と相談すれば、対応してもらえるでしょう。
表示順位を上げる
Googleは検索結果における順位付けをするにあたって、200項目以上を評価してランキングしていると言われています。
なので、「これをやれば順位が上がる!」といったカンタンな方法はありません。
しかし、ユーザーに役立つホームページが評価されるという原則に立ち返れば、具体的な施策に落とし込むことができます。
コンテンツを作成する
狙いたいキーワードはあるが、そのキーワードで上位表示させられそうなページがまだ無い場合は、作るしかありません。
コンテンツを作成するのは労力はかかりますが、競合会社との差別化要素になると思ってがんばりましょう!
工務店やリフォーム会社の場合、狙うキーワードによって既存ページを加工するとか、Blogを活用するといった方法があります。
施工事例やプラン集など、既存ページを活用する
上位表示を狙いたいキーワードに対し、既存ページを見直し活用できる場合があります。
リフォーム会社であれば、既存の施工事例の中に「キッチンリフォーム 収納 事例」にマッチしたコンテンツがあるかもしれません。
そのページの素材を元に、新たにページを作るか、そのページを変更するなどの対応が考えられます。
Blogを活用する
管理画面から簡単にコンテンツが作成できるので、Blogは非常に便利です。
コンテンツ・マーケティングというジャンルで詳しく述べているのですが、現在のBlogが現場日記やお知らせ程度の情報しか載せていないとしたら、Blogを使って記事を書くということを検討してみましょう。
特に狙いたい検索キーワードがたくさんある場合、それぞれ新規にページを制作するよりもBlogを活用するほうが効率的です。
効果検証する
いろいろな施策を紹介しましたが、それらを実践し成果につながっているか、効果検証は欠かせません。
順位チェックツールによる掲載順位の把握、サーチ・コンソールによる表示順位とCTRの妥当性の把握について紹介しましたが、これらを定期的に行いましょう。
非常に地味な作業ですが、SEOはPDCAがしっかり回せるかどうかにかかっていると言えます。
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まとめ
工務店やリフォーム会社が自分でSEOを行うために、目標設定と施策の作り方について紹介しましたが、いかがでしょうか?
SEOというと「注文住宅+(地域名)」、「リフォーム+(地域名)」で1ページ目に表示されているから大丈夫!と勘違いされている方もおられますが、反響を増やすために検索エンジンからのアクセス流入を増やせるようホームページを最適化する、というのが本来の意味です。
上位表示を狙うキーワードを決め、ページを修正したり、コンテンツ作成をしたりして成果獲得につながれば幸いです。
SEOの業者に任せる前に、自社でやれることがいろいろあると思うので、ぜひがんばってみてください。